社会保険労務士事務所サポートオフィスさとう|働き方改革Q&A

働き方改革Q&A

働き方改革全般

業種によって定義が異なります。
・小売業:資本金等の額または出資の総額5000万円以下、または労働者数50人以下
・サービス業:資本金等の額または出資の総額5000万円以下、または労働者数100人以下
・卸業:資本金等の額または出資の総額1億円以下、または労働者数100人以下
・それ以外:資本金等の額または出資の総額3億円以下、または労働者数300人以下
※事業場単位ではなく、企業単位で判断

・労働契約を締結する際は、労働者に対して、労働条件を書面等で交付する必要があります。
・労働者10名以上の場合は、就業規則の作成、届け出が必要です。
・賃金台帳、労働者名簿などを作成する必要があります。
・時間外労働を行うには、36(サブロク)協定が必要です。

就業規則を作成して労働基準監督署に届ける労基法上の義務はありません。
しかし、就業規則や給与規程を作成し、労働者に周知しておけば、権利義務関係を明白にでき、労働条件を画一的に処理ができます。 労働者のやる気、また職場の秩序を守らない労働者にしたいして効力があります。
助成金の申請に就業規則を求められる場合もあります。

2019年4月時点で
施行また施行予定の罰則付きの改正事項は、下記になります。

■年次有給休暇の取得義務  (施行:大企業2019年4月~ 中小企業2019年4月~)
有給休暇の取得義務に違反した場合には「30万円以下の罰金」という罰則が定められました。

■長時間労働の是正  (施行:大企業2019年4月~ 中小企業2020年4月~)
「時間外労働の上限規制」に違反した会社に対しては、「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」という罰則が定められました。

■「月60時間」を超える時間外労働に対しては、「1.5倍」の割増率  (施行:中小企業2023年4月~)
法律に定められた「1.5倍」の割増率による残業代を支払わない場合には「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」という罰則が当てはまるようになります。

■フレックスタイム制の見直し  (施行:大企業2019年4月~ 中小企業2019年4月~)
1か月を超える清算期間を設定する場合には、労使協定を締結し、届出をすることが義務とされており、この義務に違反した場合には「30万円以下の罰金」という罰則が定められました。

■高度プロフェッショナル制度  (施行:大企業2019年4月~ 中小企業2019年4月~)
高度プロフェッショナル制度の対象者が長時間労働によって健康を害さないよう、医師の面接指導の義務化。この義務に違反した場合には「50万円以下の罰金」という罰則が定められました。  

年次有給休暇関係

労働基準法において、労働者は
・半年間継続して雇われている
・全労働日の8割以上を出勤している
この2点を満たしていれば、年次有給休暇を取得することができます。
正社員・パートタイム労働者などの区分は関係ありません。

年次有給休暇が10日以上付与される労働者が対象です。
対象労働者には管理監督者や有期雇用労働者も含まれます。

使用者は、労働者ごとに、年次有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内 に5日について、取得時季を指定して年次有給休暇を取得させなければなりません。
使用者は、時季指定に当たっては、労働者の意見を聴取し、その意見を尊重するよう努めなければなりません。

既に5日以上の年次有給休暇を請求・取得している労働者に対しては、使用者 による時季指定をする必要はなく、また、することもできません。

→「使用者による時季指定」、「労働者自らの請求・取得」、「計画年休」のいずれかの 方法で労働者に年5日以上の年次有給休暇を取得させれば問題ありません。

時間外労働の上限規制

36(サブロク)協定は、労働基準法第36条に基づく労使協定で、正式には「時間外・休日労働に関する協定届」です。 労働者がたった1人の場合でも、届け出が必要です。

労働基準法では、労働時間は原則として、1日8時間・1週40時間以内とされています「法定労働時間」。
休日は原則として、毎週少なくとも1回または、4週につき4回以上与えることとされています「法定休日」。

法定労働時間を超える時間外労働(残業)や法定休日における労働をさせる場合には、
 ・ 36協定の締結
 ・ 事業場の所在地を管轄する労働基準監督署⾧への届け出
が必要です。

労働基準法においては、時間外労働を行わせるためには、36協定の締結・届出が必要です。
・36協定を締結せずに時間外労働をさせた場合
・36協定で定めた時間を超えて時間外労働をさせた場合
→労働基準法第32条違反となります。(6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金)

今回の法改正では、この36協定で定める時間数について、上限が設けられました。また、 36協定で定めた時間数にかかわらず、
時間外労働と休日労働の合計時間が月100時間以上となった場合
時間外労働と休日労働の合計時間について、2~6か月の平均のいずれかが80時間を超えた場合
→労働基準法第36条第6項違反となります。(6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金)

・自動車運転の業務
  改正法施行5年後に、上限規制を適用します。
  (ただし適用後の上限時間は、年960時間とし、将来的な一般則の適用については検討事項となっています)

・建設事業
  改正法施行5年後に、上限規制を適用します。
  (ただし、災害時における復旧・復興の事業については、複数月平均80時間 以内・1か月100時間未満の要件は適用しません。この点についても、将来的な一般則の適用について引き続き検討事項となっています。)

・医師
  改正法施行5年後に、上限規制を適用します。
  (ただし、規制の具体的あり方、労働時間の短縮策等について検討し、結論を 得ることとしています。)

・鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業
  改正法施行5年後に、上限規制を適用します。

・新技術・新商品等の研究開発業務
  医師の面接指導、代替休暇の付与等の健康確保措置を設けた上で時間外労働の上限規制は適用しません。

1週40時間・1日8時間の法定動労時間(特例対象事業場は週44時間)を超えて労働させるのでなければ、届け出る必要はありません。

「一定の期間を単位として、その期間内であれば1日8時間を超えても、残業代を追加で支払わない」 という制度です。 変形労働時間制を採用すると、月や季節の業務の繁閑に合わせて、法定労働時間を超えて労働をさせても違法にはなりません。

原則、1日8時間または週40時間を超えて労働した場合は、通常の賃金の25%以上の割増賃金を支払うことが必要です。
法定休日(週1日または4週につき4日の休日)に労働した場合は、35%以上の割増賃金になります。
大企業は、1か月60時間を超えた部分の時間外労働については、50%以上の割増率となります。
(2023年4月から、中小企業も月60時間を超えた部分の時間外労働について 50%以上の割増率の支払い義務となります。)

同一労働同一賃金

同一企業・団体における、正規雇用労働者(正社員)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の 間の不合理な待遇や賃金(基本給・賞与・その他各種手当・福利厚生・教育訓練など)格差をなくすという考え方です。

正規雇用労働者(正社員)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)が不合理と認められるものであるか否かについては、
①職務内容(業務の内容と責任の程度)
②職務内容・配置の変更の範囲
③その他の事情のうち、それぞれの待遇の性質・目的に照らして適切と認められる事情
上記を考慮して判断されることとなります。

そのため、同じ仕事をしていても(職務内容が同じであっても)、その待遇の性質・目的に照らして適切と認められる場合、 職務内容・配置の変更の範囲やその他の事情が違えば、その違いに応じた待遇差は認められます。

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